はらっぱとわたし vol.1
はらっぱとわたし
私が初めてはらっぱに行ったのは息子が0歳の頃。
散歩でたまたま立ち寄ったとき、メガネのお母さんにお昼ご飯作るから一緒にどうですかぁと声をかけられた。
初対面で乳幼児連れの私を気さくに誘ってくれた。
そもそもここで何を調理するんだ?
かまどで火をおこして、お湯を沸かし、小麦粉に水を入れてお箸でかき混ぜお米くらいの大きさになったものをいれ、さらにトマト、玉ねぎ、卵を入れてスープが出来上がった。
誰かとお喋りしながらご飯を作って食べるのってとっても楽しくて、それから何度か通った。
でも子どもの保育園が決まって、仕事に復帰するとぱったり行かなくなった。
あのメガネのお母さんとは数回しか会っていないけど、とってもよく覚えている。
私に話しかけてくれた親切なあの人は一体。。。
それが明らかになったのは9年後、小4になった息子がはらっぱによく遊びに行くようになってから。
はらっぱにはプレーワーカー以外に世話人という人たちがいるという。
わたしに親切にしてくれたお母さんは世話人だったそうだ。
はらっぱに行くとプレーワーカーや世話人さんたちが気軽に声をかけてくれる。
さらにわたしの子どもの名前も覚えてくれていることに驚いた。
いつもどんなふうに遊んでいるかも教えてくれる。
こんな都会の公園に、息子の名前を覚えてくれて、見守ってくれている人たちがいるんだ。
「地域で子育て」とは言うけど、もしかしてこういうことなのかしら?
わたしはそれまで自分の子どもと関わりのある子のことしか知らなかった。
わたしも家族以外の誰かと一緒に子育てしてみたい、子育てだけでなく自分自身もここで楽しみたい。
想いあふれて世話人として仲間入りした。
実際は今まで自分の子以外の子どもと関わることが少なかったので話しかけられるだけでドギマギする。
子どもの目はまっすぐすぎて、全て見透かされそうなのだ。
地域で子育てなんて程遠いではないか、わたし。
でもそんなことを言っていては世話人ライフを満喫できない。
はらっぱに来た人たち、大人でも子どもでも自分から挨拶する。
隣にいる人に話しかけてみる。
徐々に緊張しなくなってきている自分を感じられるようになった。
はらっぱ以外の場所でもそういうふうに振る舞っていきたいな。
きっかけを作ってくれたメガネのお母さん、ありがとう!
しもがいとくみこ
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今回は駒沢はらっぱプレーパークの世話人のくみこさんが、飾り気のない、温かい言葉で、はらっぱとの出会い、思いを綴ってくれました。
プレーパークと関わると子どもだけでなく、大人も変わります。
それは、プレーパークでは肩書も苗字も年齢も関係なく、ただの人と人として関わり合うからだと思います。
素の自分のままで人と関わり合いことをプレーパークでとことん楽しんだ人は、自分の周りからプレーパーク的な人との繋がりをどんどん生み出していきます。
くみこさんはそんなひとりです。(世話人しみず)
投稿日は: 2022年4月27日 1:54 PM