現在のはらっぱと、少し先のはらっぱ
このブログをアップした5月17日現在、はらっぱは休園中で、5月31日まで継続することが決まっています。
ただし、公園としては誰でも入れますし、遊んでる人もいます。また、プレーワーカーが、安全管理と場の整備のために、現場に出勤することもあります(もちろん子どもと遊ぶことは我慢しています)。
さて、ご存知の方も多いと思いますが、はらっぱを含む世田谷区のプレーパークは、住民がつくったNPO法人と区役所の協働事業です。今回の休園も区役所が決定し、私たち地域住民が細かなあれこれを決めてきました。
その際、一番大切に考えたのは、もちろん感染防止ですが、それと同時に子どもが遊ぶ機会の確保も、子どもの育ちにとって欠かせないものとして、重視しました。
「学校が全部休むほどの非常時に、遊びなのか?」という疑問は、私たちも考えました。でも、遊びは子どもが育っていく過程の中で、絶対に欠かせない必要不可欠なものです。
子どもの遊びの本質は、体の奥底から湧き上がってくる衝動の具現化です。例えば、赤ちゃんが虚空をつかむ。寝返りを打つ、立とうとする。そういった本能的な動きの延長線上に、走る、高い所から飛び降りる、木登りをするなどの遊びがあるのです。よく「子どもは危ないことばかりする」と言いますが、今できる限界に挑戦して、体の動かし方を獲得しているので、危ないのが当然なのです。
体の動かし方だけでなく、例えば泥んこ遊びで触覚を、工作遊びで道具の使い方を、そして集団遊びで人間関係を養っています。
さらに遊びでは、何をするのか、いつやめるのか?その全てを自分(たち)で決められます。子どもは基本的に大人から指示されたり、行動をコントロールされることが多い存在ですが、遊びは数少ない自己決定を体験する場でもあるのです。
このように子どもの育ちにとって、遊びはかけがえのないものであり、2、3日ならともかく、何週間も止めることは到底できません。つまり考えるべきは、いかに感染防止と遊びを共存させるかなのです。
その解決策の一環として、現在はらっぱでは、距離を取った遊び方やマスク着用。そして自粛生活の中でも遊び心を大切にしようというメッセージを込めた、漫画やポスターなどを掲示したり、大人数で遊びに来た子どもたちに配ったりしています。また再開時に、感染防止を考えた開園の仕方を模索しているところです。
当面の間、コロナとの戦いは長期に渡る事が予想されています。一日も早く日常が取り戻されることを祈りつつ、子どもたちへの影響を少しでも緩和できるよう、これからも考え続けて参ります。
(世話人:アタル!)
投稿日は: 2020年5月17日 4:51 PM