連載―withコロナのわたしたち 第1回
「マスクに隠れた子どもの気持ち」
(2020年秋はらっぱだよりコラム再掲)
あっ、というまに秋になり、もうすぐお正月。
今年の3月からのめまぐるしい生活の変化にもなんとか慣れてきたような、慣れたくないような。
そんな往生際の悪い大人に比べて子どもの適応力の高さに感心します。
マスクでの学校生活にも慣れたと言い。
ついたてで仕切った給食時間も、
「ついたてからちょこっと見える顔がミーアキャットみたいでかわいいんだよ〜」なんて言っておもしろがってる。
そんな声に、なんとなくホッとしてました。
でも、ある小学生の男の子の言葉を聞いて、わたしホッとしてる場合じゃないだろーと思ったわけです。
こんな言葉です。
「コロナがほんとに嫌だ!!!!
5年生になるのをとても楽しみにしていたのに!!!!
学校に行ってもマスクをつけなくてはいけないし、密になっちゃいけない、と言われるし、運動会や川場、楽しみにしていた行事がなくなって、それを聞いたり見たりするのがとても辛い!!!総理大臣がかわって大人は騒いでいるけど、それでどうするっていうんだよ!!!ぜんぜんわかってない!
5年生の時間をなんとかしてくれよって感じだよ!!!
おれらにとっての5年生は一生に一度しかないんだよ!!!!」
この子のお母さんによると、突然泣き始めてこう叫んだそうです。
ズシンときました。
毎日マスクを忘れずに持っていくとか、行事の中止は残念だけどしょうがないねとか、そうした目先のことばっかりで、コロナが嫌だということにすら慣れ始めていました。
子どもたちが一生に一度の2020年をどんな気持ちで過ごしているのか真剣に考えていなかったなと。
この男の子のように言葉にできる子もいれば、この状況に本当に慣れてしまって文句すら出てこない子だっているかもしれません。
子どもの適応力の後ろに隠れている部分に周りの大人や、子ども自身が気づくにはどうすればいいのかなあ
なんて考え始めたところです。
大人が子どもの気持ちを想像してみることでしょうか。
自分が子どもの頃を思い出して、今年3月からの世の中の流れを子ども目線で追体験してみるのもいいかも。
子どもだった頃の気持ちで、今の子どもの話しに耳を傾けていけたらいいなと思います。
はらっぱ世話人 くみこ
withコロナの生活がはじまって、約1年半。わたしたち、大人は、目の前で起きていることに対処することに精一杯で日々を過ごしてきてはいないでしょうか。
プレせた公式サイトでは、連載「withコロナのわたしたち」として、プレーワーカーや世話人が、主に広報誌で発表してきた文章を改めて掲載し、思いを共有し、ともに振り返り、考え、行動していくきっかけを作っていければと思います。
※一点、ご容赦いただきたいのは、コロナの状況や見解は日々変わります。わたしたちは医学的視点ではなく、子どもへの視点を共有するために思いを発信していますので、その旨ご理解ください。
投稿日は: 2021年6月25日 10:55 AM